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  • 夜 誰もいない旧校舎 屋根裏の音楽室
    Visu(ヴィジュ)が奏でるピアノの音だけが
    静かに その小さな室内を包み込んでいた





    (Visu)
    おっっ

    (インペリアル)
    おいお前、こんな真夜中に一人で何をしてる?





    ふと、Visu(ヴィジュ)は顔をあげると
    ピアノの天板の上に
    金色に光る発条の巻き鍵を首に下げた 黒猫が一匹
    図太く座っていた





    (Visu)
    あら、暗い上にあまりピアノの色と近いから
    気がつかなかったわ
    んっ
    君、そこにいると天板が開けられないのだけれど

    (インペリアル)
    知らん
    そんな悲しい曲ばかり弾くな
    元より黒い俺のこの身体が
    余計暗くなってしまうだろう

    (Visu)
    まあ、人間でもないのに指図するのね

    (インペリアル)
    人間?
    ああ、そうだったな
    もはや人間と呼ぶには相応しくない

    (Visu)
    んっ?
    まるで昔は人間だったみたいな言い方ね

    (インペリアル)
    ふん お前に何がわかる
    そんなことよりいいのか
    今までこの部屋に囚われた連中はみんな狂っちまうか
    謎の死を遂げる
    ふんふっっっ
    わかったら帰ることだ

    (Visu)
    そう、それは気の毒に

    (インペリアル)
    怖がらないのか

    (Visu)
    この部屋は、色で溢れてる
    この子たちの気持ちをわかってあげられるのは
    僕だけだから

    (インペリアル)
    変わったやつだ
    猫とも平然と喋る

    (Visu)
    そうね、変わってるわ
    この不吉な灰色の髪も

    (インペリアル)
    ふん

    (Visu)
    あら、何がおかしかったかしら?

    (インペリアル)
    染まりきってない灰色
    黒猫よか不吉じゃあるまい
    その髪、俺は綺麗だと思うが?

    (Visu)
    おっっ
    君、変なこと言うのね
    本当、変よ

    (インペリアル)
    ほう?
    実は少し嬉しいんじゃないのか?

    (Visu)
    嬉しい…?
    さあ、自分の気持ちなんて
    遠の昔に忘れたわ
    あるのかも知らないけれど
    感じられないの
    みんな、僕の中に居場所を求め
    渦巻く色たちに追いつくされる





    Visu(ヴィジュ)は
    そっとピアノの鍵盤の蓋を閉め
    立ち上がると
    月明かりが差し込む小さな天窓を
    まるで遥か彼方の星を見るかのように見つめて いた





    (Visu)
    もう慣れたわ
    感情なんて、僕には必要ないもの





  • [00:01.81]
    [00:01.87]夜 誰もいない旧校舎 屋根裏の音楽室
    [00:11.02]Visu(ヴィジュ)が奏でるピアノの音だけが
    [00:14.31]静かに その小さな室内を包み込んでいた
    [00:20.06]
    [00:20.06]
    [00:20.06]
    [00:20.06]
    [00:20.06]
    [00:21.00](Visu)
    [00:21.01]おっっ
    [00:22.17]
    [00:22.18](インペリアル)
    [00:22.19]おいお前、こんな真夜中に一人で何をしてる?
    [00:26.54]
    [00:26.54]
    [00:26.54]
    [00:26.54]
    [00:26.54]
    [00:26.56]ふと、Visu(ヴィジュ)は顔をあげると
    [00:30.01]ピアノの天板の上に
    [00:32.30]金色に光る発条の巻き鍵を首に下げた 黒猫が一匹
    [00:39.39]図太く座っていた
    [00:41.45]
    [00:41.45]
    [00:41.45]
    [00:41.45]
    [00:41.45]
    [00:41.92](Visu)
    [00:41.93]あら、暗い上にあまりピアノの色と近いから
    [00:46.20]気がつかなかったわ
    [00:48.90]んっ
    [00:50.77]君、そこにいると天板が開けられないのだけれど
    [00:55.31]
    [00:56.02](インペリアル)
    [00:56.03]知らん
    [00:57.33]そんな悲しい曲ばかり弾くな
    [01:00.49]元より黒い俺のこの身体が
    [01:03.61]余計暗くなってしまうだろう
    [01:05.81]
    [01:05.88](Visu)
    [01:05.89]まあ、人間でもないのに指図するのね
    [01:10.01]
    [01:09.96](インペリアル)
    [01:09.97]人間?
    [01:11.75]ああ、そうだったな
    [01:14.17]もはや人間と呼ぶには相応しくない
    [01:17.06]
    [01:17.44](Visu)
    [01:17.45]んっ?
    [01:18.69]まるで昔は人間だったみたいな言い方ね
    [01:22.65]
    [01:22.90](インペリアル)
    [01:22.91]ふん お前に何がわかる
    [01:26.11]そんなことよりいいのか
    [01:27.90]今までこの部屋に囚われた連中はみんな狂っちまうか
    [01:32.59]謎の死を遂げる
    [01:34.89]ふんふっっっ
    [01:37.59]わかったら帰ることだ
    [01:39.67]
    [01:39.68](Visu)
    [01:39.69]そう、それは気の毒に
    [01:43.25]
    [01:43.26](インペリアル)
    [01:43.27]怖がらないのか
    [01:45.30]
    [01:45.31](Visu)
    [01:45.32]この部屋は、色で溢れてる
    [01:48.34]この子たちの気持ちをわかってあげられるのは
    [01:52.17]僕だけだから
    [01:53.55]
    [01:53.98](インペリアル)
    [01:53.99]変わったやつだ
    [01:56.45]猫とも平然と喋る
    [01:59.39]
    [01:59.40](Visu)
    [01:59.41]そうね、変わってるわ
    [02:02.69]この不吉な灰色の髪も
    [02:05.76]
    [02:06.01](インペリアル)
    [02:06.02]ふん
    [02:07.34]
    [02:07.64](Visu)
    [02:07.65]あら、何がおかしかったかしら?
    [02:11.33]
    [02:11.23](インペリアル)
    [02:11.24]染まりきってない灰色
    [02:13.74]黒猫よか不吉じゃあるまい
    [02:16.60]その髪、俺は綺麗だと思うが?
    [02:20.36]
    [02:20.72](Visu)
    [02:20.73]おっっ
    [02:22.68]君、変なこと言うのね
    [02:26.42]本当、変よ
    [02:29.00]
    [02:29.01](インペリアル)
    [02:29.02]ほう?
    [02:30.09]実は少し嬉しいんじゃないのか?
    [02:33.17]
    [02:33.18](Visu)
    [02:33.19]嬉しい…?
    [02:35.58]さあ、自分の気持ちなんて
    [02:39.16]遠の昔に忘れたわ
    [02:42.28]あるのかも知らないけれど
    [02:44.50]感じられないの
    [02:46.74]みんな、僕の中に居場所を求め
    [02:51.17]渦巻く色たちに追いつくされる
    [02:54.70]
    [02:54.70]
    [02:54.70]
    [02:54.70]
    [02:54.70]
    [02:56.00]Visu(ヴィジュ)は
    [02:57.20]そっとピアノの鍵盤の蓋を閉め
    [03:00.56]立ち上がると
    [03:02.65]月明かりが差し込む小さな天窓を
    [03:06.88]まるで遥か彼方の星を見るかのように見つめて いた
    [03:13.55]
    [03:13.55]
    [03:13.55]
    [03:13.55]
    [03:13.55]
    [03:13.56](Visu)
    [03:13.57]もう慣れたわ
    [03:15.97]感情なんて、僕には必要ないもの
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