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Castle

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  • 辛辣な言葉に出会った。
    心は焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。
    形もわからなくなって落ちた。
    存在範囲を失った。
    涙腺は詰まって流れず、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。
    温度は奪いとられて落ちた。

    ものさしが足りないと気づいた。
    心はまた焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。
    形なんて残らずに落ちた。
    輪っかはすでに続いていた。
    涙腺は今も詰まったまま、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。
    摂氏0.001度で落ちた。
    灰は埃を舞い上げていたが、使い古しの涙が固めていった。
    絶望でさえも、削れやしない。
    最悪でさえも、崩せやしない。
    そういう強さが宿ってゆくなら、
    幾度でもいい。繰り返してやろう。

    何万年とは言わないが、年月は形を与える。
    悲しみの分だけ立派になれよ。
    悔しさの分だけ美しくなれよ。

    積み上がった灰の城はいびつながら、心までまた届くだろう。
    絶望でさえも、削れやしない。
    最悪でさえも、崩せやしない。
    そういう強さが宿ってゆくのを、
    信じ抜くのが生きるってことか。
    呼吸をいつか止(や)められたとき、
    この中身を広げてください。
    大切にいつも守ってきたもの。
    誰かのためにもなれるように。

  • [00:00.58]
    [00:15.40]辛辣な言葉に出会った。
    [00:19.54]心は焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。
    [00:27.30]形もわからなくなって落ちた。
    [00:31.47]存在範囲を失った。
    [00:35.00]涙腺は詰まって流れず、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。
    [00:42.55]温度は奪いとられて落ちた。
    [00:47.37]
    [01:01.55]ものさしが足りないと気づいた。
    [01:05.63]心はまた焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。
    [01:13.47]形なんて残らずに落ちた。
    [01:17.83]輪っかはすでに続いていた。
    [01:21.91]涙腺は今も詰まったまま、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。
    [01:29.07]摂氏0.001度で落ちた。
    [01:33.45]灰は埃を舞い上げていたが、使い古しの涙が固めていった。
    [01:48.52]絶望でさえも、削れやしない。
    [01:51.84]最悪でさえも、崩せやしない。
    [01:55.71]そういう強さが宿ってゆくなら、
    [01:59.59]幾度でもいい。繰り返してやろう。
    [02:03.88]
    [02:18.85]何万年とは言わないが、年月は形を与える。
    [02:26.85]悲しみの分だけ立派になれよ。
    [02:31.08]悔しさの分だけ美しくなれよ。
    [02:35.31]
    [02:49.78]積み上がった灰の城はいびつながら、心までまた届くだろう。
    [03:05.64]絶望でさえも、削れやしない。
    [03:09.05]最悪でさえも、崩せやしない。
    [03:12.77]そういう強さが宿ってゆくのを、
    [03:16.60]信じ抜くのが生きるってことか。
    [03:20.67]呼吸をいつか止(や)められたとき、
    [03:24.38]この中身を広げてください。
    [03:28.21]大切にいつも守ってきたもの。
    [03:32.06]誰かのためにもなれるように。
    [03:37.94]