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  • その日も同じ黒い霧で
    授業なんかろくに聞かないで
    お気に入りの曲でソー トして
    キレイな空を探してた
    忘れられてた誕生日のことで
    少しだけ機嫌が悪かったから
    埋め合わせの待ち合わせ 帰り道
    無理難題押し付けたりして
    「あれが欲しい」なんて困らせたから?
    そのとき街頭ビジョンがパッと変わって
    誰かが興奮気味に叫んだんだ
    「全人類の夢ついに空を取り戻す日がやってきました」って
    「覚めない夢のようなんだ」
    「突然何を言い出すの?」
    指差した広告塔の文字は
    『空を取り戻せ!協力者(ジンザイ)募集!』
    「なぁお前覚えているか?」
    「何を?」
    「夢を希望を愛を勇気を」
    「そういうものばかり信じて大怪我したくせに」
    「はは大丈夫。皆さん初めての方ばかりだってさ」
    「莫迦……ばか」
    街中が浮かれて気触(かぶ)れたみたいに
    「一年間十年間百年間もし霧が続いたら?」
    「一万年十万年百万年晴れを待とう!ラララ」
    「十八億三千六十八の不安、描ききったら?」
    「十八億三千六十九の詞を贈るよ」
    なんてCMソング 耳ふさいでも
    流れてくるよ ランキングトップ
    『五回目に世界が終わってから
    地上に人は住めなくなって
    放射性降下物(フォールアウト)と蒼く光る
    水没した世界に 覆われた厚いガラスの中
    完全環境都市(アーコロジー)で生きるようになりました』
    授業さえ歴史の特別講義――
    建前じゃ『夢を希望を』
    本音じゃ『地位 名誉 金』のためだろ
    回顧主義の笛吹きに取り付かれ
    踊る大人たちは研究所に向かってった
    例外なく例外なく
    「十分間一週間半年間ただそばにいてほしいよ!!」
    「一年後十年後百年後空を見よう一緒に」
    「十八億三千六十八回行かないでって言ったら?」
    「十八億三千六十九回ほかの願いを聞くよ」
    「じゃあ!!」
    「弾けないギターで歌ってよ」
    「まかせろ」
    「しょっぱい炒飯食べたい」
    「そらきた」
    「黒い霧はどうでもいいから今日も明日もそばにいてよ」
    「ごめん」
    「どうして?」
    「キミに空を見せたくてその名前を贈ったから」
    「誕生日だって忘れていたくせに
    "親"ぶったりしないで!!バカ!!」
    あれから嘘みたいに霧は晴れてった――
    華やかなパレード 見たことのない碧い空
    「我々は勝利した。無事世界は救われました」
    誇らしげな大人と拡声器の声
    降り注ぐ陽の光 ハッピーエンド
    でも帰ってこない帰ってこない帰ってこないよ!!どうして!!
    巷をウェブを駆け巡る知らなければよかった真実
    ぐちゃぐちゃに混ざり合う"愛国者だったナニカ"
    注がれた液体の人間
    そう霧を晴らし人類を救ったのは命を燃やして動く機関
    「何百人何千人何万人もの命に塗れて」
    「十分間一週間半年間安息を買ったの?」
    「嫌ああああああ黒い霧は半年もしないうちに戻ってきた」
    「なんのため なんのため なんのため 狂イソウダあああああああ」
    弾けないギターと下手なアレンジの歌が聞こえる
    「一年間十年間百年間もし霧が続いたら?」
    「一万年十万年百万年晴れを待とう?どうよ?」
    「十八億三千六十八の不安、描ききったら?」
    「十八億三千六十九の日々を暮らそう!」
    「きっとだよ!」
    「五億四百八十五万千四百秒、ん……ああ
    そういえば言ってなかったかな
    誕生日おめでとう」
    今日も同じ黒い霧で
    授業なんかろくに聞かないで
    懐かしい曲でソートして
    キレイな空を探してる
    型遅れの端末、呼び出した
    愛するあの人のデータ
    そっとスリープにして
    「莫迦……昨日だよ。一年前の……」
  • [00:01.52]その日も同じ黒い霧で
    [00:04.01]授業なんかろくに聞かないで
    [00:06.97]お気に入りの曲でソー トして
    [00:09.74]キレイな空を探してた
    [00:11.96]忘れられてた誕生日のことで
    [00:14.69]少しだけ機嫌が悪かったから
    [00:17.27]埋め合わせの待ち合わせ 帰り道
    [00:20.15]無理難題押し付けたりして
    [00:22.78]「あれが欲しい」なんて困らせたから?
    [00:25.79]そのとき街頭ビジョンがパッと変わって
    [00:28.80]誰かが興奮気味に叫んだんだ
    [00:32.58]「全人類の夢ついに空を取り戻す日がやってきました」って
    [00:57.32]「覚めない夢のようなんだ」
    [00:59.75]「突然何を言い出すの?」
    [01:01.84]指差した広告塔の文字は
    [01:04.50]『空を取り戻せ!協力者(ジンザイ)募集!』
    [01:07.49]「なぁお前覚えているか?」
    [01:09.40]「何を?」
    [01:10.11]「夢を希望を愛を勇気を」
    [01:12.55]「そういうものばかり信じて大怪我したくせに」
    [01:18.33]「はは大丈夫。皆さん初めての方ばかりだってさ」
    [01:23.54]「莫迦……ばか」
    [01:24.39]街中が浮かれて気触(かぶ)れたみたいに
    [01:30.02]「一年間十年間百年間もし霧が続いたら?」
    [01:35.09]「一万年十万年百万年晴れを待とう!ラララ」
    [01:40.18]「十八億三千六十八の不安、描ききったら?」
    [01:45.40]「十八億三千六十九の詞を贈るよ」
    [01:52.03]なんてCMソング 耳ふさいでも
    [01:55.15]流れてくるよ ランキングトップ
    [01:57.65]『五回目に世界が終わってから
    [02:00.62]地上に人は住めなくなって
    [02:03.00]放射性降下物(フォールアウト)と蒼く光る
    [02:05.67]水没した世界に 覆われた厚いガラスの中
    [02:10.64]完全環境都市(アーコロジー)で生きるようになりました』
    [02:16.59]授業さえ歴史の特別講義――
    [02:22.06]建前じゃ『夢を希望を』
    [02:24.22]本音じゃ『地位 名誉 金』のためだろ
    [02:29.19]回顧主義の笛吹きに取り付かれ
    [02:32.01]踊る大人たちは研究所に向かってった
    [02:37.24]例外なく例外なく
    [02:40.95]「十分間一週間半年間ただそばにいてほしいよ!!」
    [02:45.92]「一年後十年後百年後空を見よう一緒に」
    [02:51.36]「十八億三千六十八回行かないでって言ったら?」
    [02:56.12]「十八億三千六十九回ほかの願いを聞くよ」
    [03:03.27]「じゃあ!!」
    [03:03.83]「弾けないギターで歌ってよ」
    [03:05.73]「まかせろ」
    [03:06.30]「しょっぱい炒飯食べたい」
    [03:08.08]「そらきた」
    [03:09.16]「黒い霧はどうでもいいから今日も明日もそばにいてよ」
    [03:17.49]「ごめん」
    [03:18.24]「どうして?」
    [03:20.61]「キミに空を見せたくてその名前を贈ったから」
    [03:33.94]「誕生日だって忘れていたくせに
    [03:36.78]"親"ぶったりしないで!!バカ!!」
    [03:47.37]あれから嘘みたいに霧は晴れてった――
    [03:54.84]華やかなパレード 見たことのない碧い空
    [04:01.53]「我々は勝利した。無事世界は救われました」
    [04:08.43]誇らしげな大人と拡声器の声
    [04:15.20]降り注ぐ陽の光 ハッピーエンド
    [04:20.51]でも帰ってこない帰ってこない帰ってこないよ!!どうして!!
    [04:26.47]巷をウェブを駆け巡る知らなければよかった真実
    [04:32.25]ぐちゃぐちゃに混ざり合う"愛国者だったナニカ"
    [04:37.29]注がれた液体の人間
    [04:40.50]そう霧を晴らし人類を救ったのは命を燃やして動く機関
    [04:48.00]「何百人何千人何万人もの命に塗れて」
    [04:54.06]「十分間一週間半年間安息を買ったの?」
    [04:58.75]「嫌ああああああ黒い霧は半年もしないうちに戻ってきた」
    [05:05.18]「なんのため なんのため なんのため 狂イソウダあああああああ」
    [05:10.43]弾けないギターと下手なアレンジの歌が聞こえる
    [05:14.46]「一年間十年間百年間もし霧が続いたら?」
    [05:19.37]「一万年十万年百万年晴れを待とう?どうよ?」
    [05:24.35]「十八億三千六十八の不安、描ききったら?」
    [05:29.58]「十八億三千六十九の日々を暮らそう!」
    [05:44.06]「きっとだよ!」
    [05:55.53]「五億四百八十五万千四百秒、ん……ああ
    [06:04.07]そういえば言ってなかったかな
    [06:09.50]誕生日おめでとう」
    [06:18.10]今日も同じ黒い霧で
    [06:20.48]授業なんかろくに聞かないで
    [06:23.79]懐かしい曲でソートして
    [06:26.85]キレイな空を探してる
    [06:29.31]型遅れの端末、呼び出した
    [06:32.24]愛するあの人のデータ
    [06:35.11]そっとスリープにして
    [06:38.10]「莫迦……昨日だよ。一年前の……」