浅き夢見し、酔ひもせず 宵は袖引かれ帳下りた 此処な夜は縁因便の舞台 言の葉舞う宴に集え 常ならむ夢よ まぁるい月の落つまで 色づいて香る花 薄明りに照らされて 詩を重ね続ける 百代の日を胡蝶の様に ゆらゆらと舞い戯れて とまる花の香りに また思いを焦がして 暁に白む空に 霞みゆく虫の声 うっすらと紅を差した 山や貴し君や やがていつしか移ろい過ぎて 花の名前すら忘れて 「誰ぞ彼」と問うのなら 夢よ醒めぬまま… うたたねの邪魔をしないでおくれ 此処は我等の桃源郷 夜が明ければいづれ別る 常ならむ夢よ やがていつしか移ろい過ぎる 常ならむ夢よ