[00:00.004] [00:30.631]—故(かれ)避追(やら)はえて、出雲國(いづものくに)の [00:37.083]肥(ひ)の河上(かはかみ)在(あ)る鳥髪(とりかみ)の [00:43.352]地(ところ)に降(くだ)りましき、 [00:46.565]—此の時(おり)しも [00:49.804]箸(はし)其の河より流れ下りき (十拳劒(とかちのつるぎ)抜きて) [00:56.126] [00:56.231]斬り散らす大蛇(おろち)、姿無くとも [01:02.709]厳(いか)つ霊(ち)の果てに隠れて [01:09.109]量(はか)りの狭間に逃げ込もうとも—故(か)れ告(の)りたまへるまにまにして [01:15.509]八重の草那藝(くさなぎ)は斬り割く—如此設(かくま)け備へて待つ時に、其の八俣遠呂智(ヤマタノオロチ) [01:21.694] [01:21.700]目醒めた筐(はこ)の中焦がしゆく厳(いか)つ霊(ち)の糸の端—神代もとほく跡やふりぬる [01:34.631]交わした約束と駆け巡る、久方に舞い行く—出雲八重垣 伊豆毛夜幣賀岐(いづもやへがき) [01:47.378] [01:47.979]—すさのをのみこと [01:49.964]—祈るともなく越えて [01:52.969]—波の八重垣 [01:54.588]—思ひあれば [01:56.364]—へだつる雲も無し [02:00.675]—たづぬれば神代 [02:02.712]—大和言の葉辿る [02:05.795]—音に八重垣 [02:07.362]—今宵ばかり [02:09.138]—量りの狭間なり [02:12.874] [02:13.788]—信(まこと)に言ひしが如來(ごとき)つ。 [02:20.214]乃(すなは)ち船毎(ふねごと)に己(おのもおのも) [02:26.640]—頭(かしら)を垂入(たれ)て、其の酒を飲みき。 [02:33.040]ここに飲み醉ひて留まり伏し(十拳劒(とかちのつるぎ)抜きて) [02:39.179] [02:39.362]斬り砕く敵は、姿無くとも [02:45.919]映る厳(いか)つ霊(ち)を抜き去り [02:52.267]遍(あまね)く剣は、此処に届かず—故(か)れ其の中の尾を切りたまふ時に [02:58.614]八重の草那藝(くさなぎ)は斬り割く—御刀(みはかし)の刀毀(はか)かす、都牟刈(つむかり)の太刀あり [03:04.956] [03:04.962]名残を、箱庭にて憐れむ神の代(よ)を偲びて—神代もとほく昔語りを [03:17.867]果たせぬ約束は今叶う、三柱(みつはしら)舞い征く—見るぞ畏(かしこ)き伊豆毛夜幣賀岐(いづもやへがき) [03:30.745] [03:31.189]—すさのをのみこと [03:33.096]—祈るともなく越えて [03:36.178]—波の八重垣 [03:37.798]—思ひあれば [03:39.574]—へだつる雲も無し [03:43.937]—たづぬれば神代 [03:45.974]—大和言の葉辿る [03:48.978]—音に八重垣 [03:50.572]—今宵ばかり [03:52.348]—量りの狭間なり [03:56.371]