[00:13.14]「こんばんは、フィーナ。」 [00:16.28]「…誰?」 [00:18.45]「私はメイメイ。貴女を救いにきたの。」 [00:24.41]「貴女に見せてあげる。“今”の貴女が、 [00:27.57]これからどんな運命を辿るはずだったのかを」 [00:30.92] [00:41.38]「メイメイは語りかける。かつて語られなかった、最も最悪の可能性。」 [00:47.53]「メイメイは語りかける。 [00:49.29]残酷な運命。その全てを見通したモノの目で。」 [00:53.33]「メイメイは語りかける。 [00:55.47]フィーナの意思など存在しない、一方的な救済。」 [00:59.31]「メイメイは語りかける。その美しい魂の家、損なわれぬよう。」 [01:04.61] [01:18.31]「これは誰……?まさか……私?」 [01:22.05] [01:22.69]捻くれた螺旋―― ――運命の神はかくも厳し [01:29.17]赦された罪過―― ――生きることだけを考えよ [01:35.38]終り無き夢想―― ――いつか生まれ来る君を信じ [01:41.75]慎ましき日々―― ――そこに来る悪夢の使者 [01:48.31] [01:54.44]こちらに向ける目が 哀れそうに私を射抜いて [02:00.81]発せられる言葉が 残酷な運命を告げる [02:07.11]小さな鏡が 映し出した見知らぬ光景 [02:13.31]見慣れぬ誰かが “何か”を抱いて泣いていた…… [02:20.01]醜い魂に価値などないと吐き棄てて [02:26.38]指し示すその姿は [02:29.31]見てはならない凄惨な赤(いろ)を帯びていた―― [02:35.84]響く叫び声 只一つの名前 [02:42.27]かつて描いたそれを彼女は叫び続けていた [02:48.47]生まれた時にはと 心に決めていた [02:54.68]わが子の名前が刻まれたひとつの瑕 [03:01.11] [03:01.33]何度も何度もその名を呼ぶは [03:04.62]壊れかけの機械のようで [03:07.75]何度も何度もその名を呼ぶは [03:10.98]それが愛しきもの故 [03:14.20] [03:21.09]「そんな……あれは、私。じゃあ、あの子がエフティヒア……。 [03:29.91]そんな……だって、死んでるじゃない……!」 [03:32.99] [03:33.35]凡そ己とは 認められようもない姿に [03:39.66]たまらずフィーナは 呆然として膝をついた [03:46.24] [03:52.28]いくつもの世界を 垣間見選んだ筈の現実(せかい)に [03:58.75]どうしてこんな仕打ち 誰を呪えばいいのだろう [04:05.19]響く無為な羽音が明日を呆気なく壊して [04:11.40]その最後待っていたのが [04:14.43]わが子を喪った私(ははおや)の姿か [04:20.17] [04:21.03]ねえお願いだから その目をあけてよ [04:27.16]エフィー!鳴...まだ碌に抱きしめても [04:31.95]いなかったのに…… [04:33.82]大切なモノを 奪われる未来に [04:39.90]何の価値があるのかとただ自問し続けた [04:45.90] [04:46.71]何度も何度も頭を振って [04:49.53]必死に否定しようとするけど [04:52.87]何度も何度も蘇る光景 [04:56.05]そして倒れ伏すフィーナ [04:59.15] [04:59.35]放棄せよ [05:00.91]ただ嫌悪せよ [05:02.44]生を選び地を這うその姿 [05:05.67]絶望せよ [05:07.18]ただ恭順せよ [05:08.79]明日も選ぶことのないように [05:11.71]その一切から目を逸らしても―― [05:16.95] [05:31.10]ねえもういいでしょう? 貴女の未来なんて [05:37.18]こんなどうしようもない結末しか待っていないのだから [05:43.83]愛しているなら 死なせたくないなら [05:49.72]貴女の“選び取る”道など一つしかない [05:56.02] [05:56.65]現実は虚ろ 告解の果てに [05:59.75]全て否定する 薬を一つ [06:03.03]これで貴女も きっと幸せに [06:06.18]永遠の世界を歩もう―― [06:09.96] [06:15.62]「愛を注がれる間もなく、消えていく。そんな可能性は、 [06:20.22]最初から生まれない方がいい。そう思うでしょう?」 [06:24.69]「大丈夫。全ては嫌な夢。忘れてしまえるからね? [06:29.97]貴女はなーんにも心配しなくていいのよ」 [06:33.05]「さあ、目を覚ましなさい、フィーナ。」 [06:36.41] [06:39.09]「う…貴女は…誰…?」 [06:43.72] [06:44.52]「知らないのも無理はないわ。私は、 [06:47.23]貴女の遠い血縁にあたる者。 [06:50.27]倒れた貴女の様子を見ていたの。」 [06:53.03] [06:53.99]「これをお飲みなさい。今よりも、もっと、楽になれるわ…」 [06:58.48] [07:01.32]「フィーナ。残酷な運命に翻弄された少女。 [07:08.06]そうしてあるときを境に、 [07:11.19]彼女の行方は誰も知ることはなかった――」 [07:14.82]