[00:00.90]深窓から焦がれた 一片(ひとひら)の理想(ゆめ)は唯遠く [00:07.53]粉雪(ゆき)のように溶けては 悲しき歌声(アリオ)を奏で続けていた [00:18.49] [00:35.03]病魔(やまい)はこの身体を 穏やかに死へと誘(いざな)って [00:41.76]心まで屠るだろう [00:45.09]叶わない夢物語(いつか)を祈りながら [00:50.23]まだ……抗ってみせる。 [00:54.40]運命(さだめ)を超えて 切り裂く為に 気高き大剣(つるぎ)を纏いたい [01:01.88]何物にも折れない意思は 未来を護る為に [01:08.21]この血脈(ち)が繋ぐ 希望の灯火(ほのお) 決して絶やしはしない [01:14.39]全ての願望(ゆめ)を継いで 導く姫君(イヴリィ) [01:19.04]伸ばした双手(もろて)は夜空へと消えて行く 幻想の花を追って [01:29.80] [01:33.30]「とある大国の姫君?イヴリィ。 [01:36.55]彼女は生まれつき病弱で外を出歩くことを禁じられていた。 [01:42.05]身体を治し、将来は両親と国政を支えたいと夢見ていた。 [01:48.90]しかしある晩、国家の秩序転覆を企てる一派が [01:53.84]クーデターを起こし、それまでの平和は一瞬にして崩れ去った。 [01:59.93]非力な姫君はただ無力で……。進化に促されるままに逃げるも、 [02:07.41]病に侵された身体は思うように動いてくれない。 [02:11.65]衛兵に支えられながら、痛む心臓を必死に堪えて走った。」 [02:16.56] [02:18.34]不穏な種子(たね)は芽吹き 緩やかに根を伸ばしていた [02:25.21]無力に嘆く少女 その両目(め)に映る凄惨な赤は [02:33.40]もう……洗い流せない。 [02:37.96]憤怒(いかり)を薙いで 覚醒(めざめ)の為に [02:41.45]寂滅の大剣(つるぎ)を与えて [02:45.23]刻み付けた王(ちち)の言葉と 王妃(はは)の笑顔を胸に [02:51.65]過去も未来も 葬る劫火(ほのお) 決して忘れはしない [02:57.52]全ての宿願(ゆめ)を背負い、虚空に誓う [03:02.33]伸ばした双手(もろて)が血に塗(まみ)れ穢されても 魂は穢されないと [03:13.19] [03:13.95]「姫君は己の非力を責め、無力を呪い、そして力を欲した。 [03:21.38]絶望した姫君の前に、黒いカラスを連れた女が [03:25.65]現れ甘言を囁く。」 [03:28.08] [03:28.81]「そう、力が欲しいの?」 [03:30.98] [03:32.16]「光栄に思いなさい。その美しさを、気高さを…… [03:36.76]メリクルベル様が認めてくださったわ。あなたは救われる」 [03:43.21]「復讐がしたいのでしょう?果たしたいのでしょう? [03:46.99]安心なさい、すべてはメリクルベル様のお導きのままに……」 [03:52.07]「そして少女は差し出された果実を手にした……」 [03:54.73] [03:56.69]「望みのまま、おいでなさい [04:03.75]貴女が求めた復讐(ちから)は此処に??」 [04:08.37] [04:08.59]毒牙に堕ちて 生かされながら 幻想の大剣(つるぎ)を振るって [04:15.97]無数の死を積み重ねては 終わらない悪夢(ゆめ)を視(み)る [04:22.51]砂礫の夜空(そら)に響く咆哮 [04:25.84]何(いず)れ過去も自己も喪い 無(ゼロ)を刻む終(つい)の姫君(イヴリィ) [04:33.08]精神(いのち)尽きるまで 永遠に繰り返す [04:40.05]空導の箱庭に 救済(しあわせ)を捜して [04:47.61] [04:48.30]「ずっと私が救ってあげる。決して見捨てたりはしないわ。 [04:52.89]ふふっ、美しいわよ。憎らしいほどに。 [04:58.03]……ねぇ、あなたが斬り裂きたいのは、 [05:00.86]見知らぬ敵?それとも、あなた自身?」 [05:05.40]