だるまさんがころんだ [00:02]だるまさんがころんだ [00:23]それは、嵐のように突如として現れ僕を指差して言った [00:29]「さあ遊びましょ、あなたの宝物は預かっているわ」 [00:33]わけのわからぬ事をと周りを見れば、正気の沙汰なし  [00:38]「あたしが鬼ね」と言う奴を余所目に、袋小路 [00:42]彼女を餌にして先んじよう [00:47]待て、仲間を手に掛けるなんて「どういう了見ダ!」 [00:52]どこかに打開策があるはず [00:56]さあ、思考を巡らすのだ [01:02]だるまさんがころんだ、つられて僕も転んだ [01:07]そのまま地面に伏せた、名前は呼ばれなかった [01:11]だるまさんがころんだ、彼女が微かによろけた [01:16]ゆらりそちらを見やった、名前呼ばれ彼女は捕まった [01:40]それは、居るだけで汗の流れ落ちる暑い夏の日であった  [01:45]目の前の面白い子は豆鉄砲くらった鳩のよう [01:50]動かぬ口の代わりに目で訴える「正気の沙汰なし」 [01:55]でもそんな雑念に囚われていては、袋小路 [01:59]彼を囮にして裏かけば? [02:04]ああ、仲間を手に掛けるなんて「とっても上々ね!」 [02:09]更に荒唐な表情を見せとくれ [02:13]さあ、思考を巡らすのだ [02:19]だるまさんがころんだ、つられて僕も転んだ [02:23]そのまま地面に伏せた、名前は呼ばれなかった [02:28]だるまさんがころんだ、彼が僅かにふらついた [02:33]ゆらりそちらを見やった、名前呼ばれて彼は捕まった [02:38]だるまさんがころんだ、はやくしないと連れてっちゃうよ  [02:43]だるまさんがころんだ、はやくしないと指切っちゃうよ  [02:48]だるまさんがころんだ、はやくしないと冷めきっちゃうよ  [02:52]だるまさんがころんだ、だるまさんがころんだ [02:57]真剣勝負と云うには不条理な [03:01]この直線距離だけどうにか縮めたい [03:07]酸いも甘いも飲み込んで [03:11]さあ、思考を巡らすのだ [03:20]だるまさんがころんだ、全速力で駆けた [03:24]先の傷は痛くなかった、痛みすら思考の外だった [03:29]だるまさんがころんだ、奴の背中に触れた [03:34]彼等は意識を戻した、一斉に折り返せ! [03:39]だるまさんがころんだ、全速力で駆けた [03:44]先の傷は痛くなかった、痛みすら思考の外だった [03:49]「止まれ!」と手を挙げ叫んだ、身体が動かなくなった [03:53]奴は真っ直ぐ近づいた、僕の前でぴたりと停止した [03:58]「日が暮れるからもう帰ろ」