夢魔めぐみと誘惑新婚生活? これはありえるはずのないおまけの話だ めぐみ:「お帰りなさい、お兄さん」 仕事から帰り、自宅の玄関扉を開くと 制服姿のめぐみが俺を出迎えた 神野めぐみ、妹のクラスメートであり、 リア充中のリア充である彼女がどうして我が家にいるかというと 俺の婚約者だから......なわけあるか 何で俺がめぐみと結婚しなくちゃいけないんだ くそ、一瞬でもそんな発想が出てくるなんて 俺は一体どうしてしまったのだろう どうも記憶がぼんやりとしている 意識がいまいちはっきりしない めぐみ:「お兄さん、どうしたんですか、玄関で考え込んじゃって」 正宗:「あ、めめ……めぐみ、お前がなんで俺ん家いるんだよ」 めぐみ:「うん、何言っているんです?そんなの当たり前じゃないですか あたしたち、結婚したんですから」 正宗:「結婚だと」 めぐみ:「はい、忘れちゃったんですか」 正宗:「お前紗霧と同じ年だろうか 結婚なんてできるわけないだろう」 なんだ、その初めて見るとろけた眼差しは 普段のいたずらっぽさが消えた本気っぽい仕草は 分からない、何もかもが分からない めぐみ:「へへん、まあいいです そんなところに立ってないで、こっち来てくださいお兄さん」 正宗:「おっ、おい めぐみ:「はい、ソファーにドン! えっへへん、えいしょ」 正宗:「ちょっ、なな……」 めぐみ:「お兄さん、やっとつっかまーえた」 正宗:「な、な、おまっ」 めぐみ:「どうしてこんなことをするのかって顔してますね それはですね 和泉ちゃんに部屋から出てきてもらうための作戦です」 正宗:「作戦だと」 めぐみ:「はい、委員長めぐみによる新しいプランです」 正宗:「その新しいプランてこの状況 俺にお前が乗っかることが必要だと」 めぐみ:「そうなんですよーん」 何だかぞくぞくしてくる 本当にどうしたというのだろう、今日のめぐみは もともと、大人びたやつではあったけど ここまでではなかったはずなのだが というか、進んでいそうな外見に反して 内面は性知識皆無のファッションビッチだとばかり決めつけていたのだが 違ったのだろうか 正宗:「あぁ、その作戦は中止だ とりあえず、どいてくれないか」 めぐみ:「あは、お兄さん恥ずかしいんた」゙」 正宗:「めちゃめちゃはずかしいからやめてくれ もしくは早く作戦の詳細を説明してくれ」 めぐみ:「お兄さんは、岩戸隠れの伝説って知ってます」 正宗:「もちろんだ、日本最後の引きこもり美少女の話だろう」 めぐみ:「そうです、そうです 天の岩戸に引きこもっちゃった天照大神を みんなで作戦を考えて引きずり出すお話ですね」 俺も大概だけどこいつの言い方ひっどいな おかげで、天照大神のイメージが紗霧になってしまった うちの妹はかわいいから、神の衣装だってさぞや似合いことだろう めぐみ:「ええっ、抱きつき というわけで、天岩戸大作戦行っきますよー」 正宗:「まったく説明になってない どうしてこれで紗霧が出てくると」 めぐみ:「いいからいいから、経験豊富な私に任せてください」 正宗:「任せられるか」 めぐみ:「お兄さん、大好きです」 これは夢だ、悪夢だ こんな出来事があるわけない 頭ではわかっているのに めぐみ:「さぁ、和泉ちゃん、早くお部屋から出てこないと あたしがお兄さんを食べちゃうぞ」