一丁目の路地裏;年長 (猫) の集い HEMLOCK藥丸漢化組 听本&校对:小卅卅w 翻译:冉苒 【隼】始~始~始~久しぶり~すりすり~ 【始】春! 【春】良いじゃない~ 確かに、久しぶりに会えたんだから もう少し付き合ってあげなよ 【海】分かりやすく すげーご機嫌だよなぁ、隼 【春】や~海も久しぶり 今日は隼のお伴かな? 【海】あーそうなるかな こいつ、滅多に家から出ないの割に 外に出る時は、好き勝手に歩き回るからさ うっかり喧嘩に巻き込まれたりしたら大変だろう~ 面倒を見るように、 隼の飼い主からも煮干付きで頼まれてるし 【始】報酬付きか、それにしても、 相変わらず付き合いが良い事だな海 野良の割に家猫に偏見がないのも珍しいし 人間から餌を貰うことにも抵抗がないし 【海】野良は逞しくいかないとなぁ 信用できる人間がくれる餌は 遠慮なく貰うことにしてる ついでに野良とか家猫とか関係なく 猫は猫同士 仲良くやるに越したこと無いだろう 生きる環境が違うだけで 同じ生き物なんだしさ~ 【隼】その通り! 素晴らしい心掛けだね~海 だから、縄張りなんて気にしないで 【始】隼、そこは気にするべきマナーだからな 自重しろ 大人しくしていられるならまだしも お前に限ってそれはないだろ 【春】そうだね~ ここ、一丁目にだって、ある日突然現れて や~君が黒の王様かい? 僕はずっと君のファンでって 怒涛のトーク攻撃だったものね~ 本当は敵だと思われて攻撃されても 文句は言えないんだよ 【隼】え?僕は誰の敵でもないよ 平和を愛する魔王さっ、んじゃなかった 白き猫様だよ~ 2人と初めて会った時には ずーっと会いたいと思っていた始を前にして 喜びの感情が爆発してしまっただけなのさ~ ずっと噂を聞くばかりでお預け状態 会いたいな~会ってみたいな~って考え続けて 漸く実現した邂逅だったからね~ 【始】はいはい、お前に害がないのは よく伝われて来たよ、 だからこそ攻撃しなかったんだろう 【隼】そうだね~ 【海】でもな~隼 始はあくまで例外だらかな 他の奴らなら即行で毛を逆立てで、 猫パンチの嵐だよ 何度も言うが、 池袋一丁目の始の縄張り 池袋三丁目の俺の縄張り この二ヶ所以外の場所に行く時は要注意だ そうじゃなくても、 お前みたいなゴージャスで真っ白な猫は、 目立て目立て仕方がないん 【隼】やれやれ、窮屈だね~ 僕の心には、 縄張りなんていう境界線は存在しないのに 【春】我慢我慢~ と言っても、目立つという意味では 始も似たり寄ったりなんだけど 【始】ん?俺がか?そうか? 普通の黒だから 大して目立ちはしないと思うが 体の大きさなら、海の方がでかいしな 【海】今回は俺も、春に同意かな 大きさはともかくとして、始 お前を普通の黒というのは、 ちょうち無理があるよ 毛皮の光沢というか、 質感がかなり違うだろう 【始】そうか? 【春】そうなの~ もうちょっと自覚して、 無茶をしない様にね 二丁目とか駅の周りとかには、 よそ者とか気が荒いのも多いだからさ 【海】隼も、覚えておけよ 【隼】はい~二丁目と池袋駅周辺に要注意だね 【始】はいはい 【春】聞き飽きたって顔してる 聞き飽きるほど言っても聞かないから、 更に何度も言われる事になるんだよ まったくもう 俺の飼い主さんからも頼まれてるのに 【始】俺の飼い主は、 俺がちょっとぐらい無茶をしようが気にしない 大きな怪我しないでちゃんと帰ってくればいいって言われてる 【春】そんなんだらか、始も始の飼い主さんも二人まとめて、 俺の飼い主さんからあれこれ注意されるんだよ 【海】家猫は家猫なりの苦労があるもんなんだな 【隼】ねね海、家猫じゃない野良猫の海の 生活はどういう感じなのかなあ 住む家がないのって不安になったりしないのかい? 【海】おっ野良生活に興味があるのか? 白き猫様 【隼】うん~とっても~ 箱入り息子の僕が知らない世界だものね 【海】自分で言うか!そうだな~ 俺からすると、家がない事が普通だから その事を特別気にした事も、 不安に思った事もないな~ 【始】そういうものか? 【海】そういうものだな 元々この生活が性に合ってるんだとは思う 好きな時に好きな場所で寝転がって、 好きなだけ寝る 興味がある物があったら追っていく、 追いかけるのに飽きたら、毛繕いをする 腹を減ったら餌を探す、実にシンプルだ そのシンプルな生活の中で、 人間とか猫とかいろんな物に関わって、 いろんな繋がりを持って、毎日楽しいぞ~ 【春】海くらいのバイタリティーがあると、 何でも楽しめそうでいいよね 俺たちが実際に野良生活をやったら、 苦労するだろなあ 【海】まっ最初は苦労するかもしれないが お前と始なら何だかんだ大丈夫だろ 頭がいいし、がたいも良くて、 腕っぶちだって強いしな~ あっ隼は向いてない 【隼】え?どうして? 【海】だってお前、毛皮が汚れるのが嫌だろ 【隼】僕には真白き毛皮がぴったりだからね~ 【春】餌を探すのも面倒くさいでしょう 【隼】餌は銀のお皿に入れて貰う物だよね~ 【始】は、それでどうして野良生活がいけると 思うのかが謎だな 【海】な 【隼】皆の視線が冷たい 僕だって本気を出せば、 秘密の力で持って この池袋の町を、強く逞しく生き抜いていけるよ ま~尻尾は二本になったりはするけどね 【海】それは、猫又という奴では 【春】俺は何も聞いてない、何も聞いてない! 【始】やれやれ