もしもチョロ松がTVプロデューサーだったら ~TVプロデューサー:チョロ松/新人:おそ松~ DRAMATSU もしもチョロ松がTVプロデューサーだったら ~TVプロデューサー:チョロ松/新人:おそ松~ チョロ松:(拍手)いいよー。いいよ、みんなよかったよー。ご苦労様。これでまた視聴率百二十パーセント突破だね。そしたら座銀でシースーだよー。 ああー、ちょっと、フラッグプロダクションのマネージャー。いや、ジャーマネー。ちょっといいかな?かなちょっといい? ねねー、お宅の新人ね、いいもん持ってると思うんだ。えっとー、その心の奥底に秘めてる才能?ていうかなんていうか。大人気アイドルになれる素質を持ってると思うんだ。僕が言うんだから間違いないよ。ちょっとこっち来て。 (ドアの閉まる音) アイドルっていいよね。知ってる?元々偶像って意味から来てるんだってね。偶像、イドラ。つまり、盲目的信仰の対象物。見返りを求めずに全財産突っ込んで、同じCD何十枚も買って、ね? 僕もアイドル大好きだからわかるんだけど、そういうね、毟り取れるだけ毟り取れるアイドルになれる素質がね、お宅の新人にあると思うんだ。あっ、お茶でもどう? (お茶の入れる音、啜る音) お茶美味しいねえ。だからその、何っていうか、よかったら僕が引き出してあげようか?うん?そうそう。個人的に、色々教えてあげたくて。ほらほら、僕もそこそこ人気番組作ってるし、視聴率も取ってるし、プロデューサーとしてそれなりに稼いでるし。 せんべい食べる?(食べる音)うん、飛ぶ鳥を落とす勢いのテレビのプロデューサーっていうかね、見て見て、ちゃんとカーディガン羽織ってるでしょ?言葉を入れ替えて喋ってるでしょ?入れ替えて言葉ってるでしょ?喋って。何言ってるかわからない?まあまあ、気にしないで。せんべいまだあるよ。(食べる音) それでね、今度、土九のトレンディードラマで。えっ?ドクって何かって?土九だよ、土九。月九じゃないよ。土曜、朝、九時。土九。土曜朝九時にトレンディードラマだよ。新しい役を作ったんだ。 視聴率百二十パーセント間違いなしだよ。そのー、主役?ちょっと今探してるんだよねー。ということで、じゃじゃ、フラッグホテルの三号室で待ってるから、あの子を来させて、ね!ね! (シャワーの音) (鼻歌の音) チョロ松:緊張するなー。ドキドキー。こんなことをしていいのかなー。本当はダメだよねー。 で、でも、僕だって、プロデューサーとして真面目に頑張ってきたんだから、す、少しぐらい職権濫用してもいいよねー。いい思いをしても誰もは文句言わないよねー。 うん!これでよし。花とワインとチーズ、そしておでんと焼き鳥。完璧だね。これで、新人のあの女の子もイチコロさ。 一応、うう、ソフトドリンクも用意しておこうかな。ああでも、やっぱりちょっと惚れ酔いになったほうが。ああ、わかんない!女の子と二人きりになったことがないから、どうしたらいいかわかんない! っていうか、何喋ろう。(ドキドキ)落ち着け、チョロ松。落ち着け、僕。着け落ち着け落ち。うん、座銀でシースー、うんうん。人気番組を作ってるプロデューサー、相手は新人のアイドル。 (深呼吸、ドアの叩く音) ドゲーっ!あっ、も、もう来た?は、早かったね。はあ、緊張するー。うう、頑張れ!僕、テレビプロデューサー!自信を持って! (ドアの開く音) チョロ松:あ、いらっしゃいー。 おそ松:どうもー、おっこんばんは! チョロ松:あこんばん、はっ?えっ、あっ、えっ、とっ、うっ…君は? おそ松:おそ松でーす!フラッグプロダクションの。マネージャーにチョロ松プロデューサーの所へ行けって言われたんです。ええっとその、個人的に指導してくださるそうで、ありがとうございまーす!嬉しいでーす。んははははー。 チョロ松:あっあはは、あん。あええっと、何かの間違いじゃないかな、僕が呼んだのは君じゃなくて、梅子ちゃん… おそ松:失礼しまーす。 チョロ松:おい! (ドアの閉まる音) おそ松:うわあー、立派な部屋ですねー!スイートルームっていうんですよね。 チョロ松:まあね。 おそ松:かわいいー。おでんまで!いただきまーす。 (ぱくぱく) うまい。うまい。すごいっすね。俺スイートルームって初めて入りました。おでんうまいっすね。 チョロ松:おっ、そう?よかった。 (壁を舐める音) おそ松:ああ、スイートルームって言っても、別に壁も柱も甘くないっすね。 チョロ松:スイートルームのスイートは甘いって意味じゃなくてね。 おそ松:それで、何の指導をしてくれるんですか? チョロ松:ええっと… おそ松:演技指導ですかー?ナンジャコリャーーー!…どうですか? チョロ松:どうですかって言われても…なんじゃこりゃーって感じ? おそ松:ああ、それとも歌ですか?ああ。司会もやれると思うんですよ。はい、皆さんこんにちは!離婚さん、グッバイ!オヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨ。 …どうですか? チョロ松:ええっと、その、離婚さんって縁起でもない番組だね。おそ松君と言った? おそ松:おそ松です!新人のタレントです!何でもやりますよー。 チョロ松:何でも? おそ松:はい。何でも。 チョロ松:じっ、じゃ、僕の言う通りにするってことかな。 おそ松:はい!もちろん! チョロ松:ああ、ははっ、はは。あ、いい子だねー。そうだよ。僕は、実力家プロデューサー。僕の言うことを素直に聞いておけば、悪いようにはしないよー。さあ、体の力を抜いて…って待って!違う違う、そうじゃ、そうじゃない!別に、おそ松君が素直になっても僕は嬉しくないんだ。 ううんうんうんっ。あの、おそ松君、どうもフラッグプロダクションのマネージャーが、うん!うんっ、ジャーマネーが、何が勘違いしたみたいだ。 おそ松:勘違い? チョロ松:うん。僕はテレビのプロデューサー。そして部屋に呼んだのは新人タレント。ここは豪華のホテル。高級ワイン、アンド、おでん。この意味、わかるよね? おそ松:ううーん。あっ、わかった!指導してくれつつ御馳走してくれるってことですよね。あー。指導の前におでん食べちゃったけど、ありがとうございます!いやあー、チョロ松プロデューサー!すごくいい人なんですねー!こうやって仕事以外の時間を使って、僕みたいな新人を指導してくれるなんて! チョロ松:うんうん。そうそう。指導しつつ御馳走、そこは間違ってない。ただ、指導って部分がちょっとね。 おそ松:ちょっと? チョロ松:うんん。大人の指導したくて。 おそ松:えっ? チョロ松:オ·ト·ナ·ノ·シ·ド·ウ。 おそ松:オ·ト·ナ·ノ? チョロ松:わかるよねえ!つまり、僕が呼んだのは君じゃなくて、女の子の梅子ちゃ… おそ松:もちろんわかりますよ!食事のマナーや挨拶について指導してくれるということですね。立派な大人になれるようにと。さすがですねえ。素晴らしいプロデューサーだ!視聴率百二十パーセントを取るだけのことはあります。チョロ松プロデューサー、万歳! チョロ松:うーん。難しいなあ。 おそ松:あっ何が? チョロ松:どう言ったら通じるのかな。えっとね、君、新人だって言ったよねえ。 おそ松:はい。新人です。 チョロ松:じゃまだ芸能界のルールとかよく知らないんだね。 おそ松:あっ、それを教えてくれるんですね?ご指導、お願いします! チョロ松:そうじゃなくてね。うーん。どう言えばいいのかなあ。 おそ松:何をそんなに悩んでいるんですか。 チョロ松:(パン!)君のせいだよ!僕はプロデューサーという立場を利用しようと思っていたのに! おそ松:えっ? チョロ松:ああそうさ!僕はフラッグプロダクションの新人アイドル、梅子ちゃんを好きになったんだ!だから、マネージャーに頼んだんだ!僕の部屋に来るようにって!そしたら、土九の主人公にしてあげるからって!僕だって、僕だって!それぐらいおいしい目にあってもいいと思わない?! ちょっとお話したかったんだ!あわよくば手ぐらい握れるかなって!だって僕、女の子の手って、母さんの手しか握ったことがないんだよ!産婆さんの手も!保母さんの手も!トト子ちゃんの手すら握ったことがないんだよ! こんなに毎日一生懸命働いているんだよ!少しぐらい、少しぐらい立場を利用して、お、おおー、女の子と仲良くしてもいいだろう?!いいよね?!ね!ダメ?!ダメかな?! おそ松:ああー、そうだったんですねー。 チョロ松:そうだよ!そうなんだよ! おそ松:最初から言ってくれたらいいのにー。 チョロ松:言ってたつもりなんだ!でね!僕と仲良くしてくれたら、梅子ちゃんにちょっといい仕事回そうかなって、そう思ってたの! おそ松:ああ!聞いたことあります。そういうのを、んん、何とか営業って。んんな、確か、ナマコ営業… チョロ松:(パン)枕営業だよ!枕営業!もちろん枕どころか、手握れるかどうかもわからないけど!でも、権力を笠に着て、言うことを聞かせようもしてるんだから、枕営業だよね! おそ松:はあー。枕営業…。素晴らしいですね! チョロ松:は? おそ松:テレビプロデューサーをしながら、枕営業だなんて!枕を売って売って売りまくっているんですね!そっか!わかりました!俺に枕営業をしろってことですね。 チョロ松:あのっ、ちょっと話伝わってないよね? おそ松:指導だけじゃなくて、バイトまで紹介してくれるなんて。最高のプロデューサーだ! チョロ松:おそ松君? おそ松:俺、枕営業をしまーす! チョロ松:あのね? おそ松:有名通販番組の、あの元社長みたいに、ちょっと甲高いぐらいの声がいいかな。 チョロ松:あの、話を… おそ松:はい!この枕、寝心地最高ですね!頭を乗せてみたらすぐグッスリ!なんと二つで三千円!さらに、大感謝祭ということで、五千円引き! チョロ松:赤字だよっ?! おそ松:街中を大声で叫びまわりたいです! チョロ松:なんで? おそ松:本当に感動したから、チョロ松プロデューサーは素晴らしいって!本当に偉いって!枕営業をさせてくれるって!チョロ松プロデューサー!枕営業!チョロ松プロデューサー!枕営業!チョロ松枕営業! おそ松:真的超级感动!チョロ松制片人超级棒!真的很伟大!愿意让我潜规则(枕营业)!チョロ松制片人!潜规则(枕营业)!チョロ松制片人!潜规则(枕营业)!チョロ松潜规则(枕营业)! チョロ松:やめてええ!芸能界から抹殺する気?! おそ松:そうだ!今度からチョロ松じゃなくて、チョロ枕って名前にしたらどうです? チョロ松:チョロ枕?! おそ松:いい名だ!枕営業のプロデューサー。輝いてる!チョロ枕!チョロ枕プロデューサー!みんなが集まってきますよ!チョロ枕プロデューサーのもとに! チョロ松:むしろ離れていくよ! おそ松:謙虚ですねー! チョロ松:僕のプロデューサー人生終わりだよ! おそ松:謙遜しないでいいですよ! チョロ松:本気だよ! おそ松:チョロ枕プロデューサー!一生ついて行きます! チョロ松:もう帰ってええええええええええ!