[00:35.77]冬ざれに冴え凍る雪の花を、 [00:44.71]唇に寄せて添ひ居る時。 [00:53.75]やをら傍ら臥し聴けば安らかな息。 [01:02.91]風花が忍び泣く——。 [01:11.18] [01:11.24]抱き締めた腕さえ、 [01:15.65]擦抜けてしまうのか。 [01:20.86]言の葉までも届かぬ、 [01:25.35]睦の月——。 [01:38.30] [01:42.32]独り枕に、冷ややかな白い頬が震えて沈めば、心寂しき。 [02:01.28]往昔を初夢に見て落涙する背中に、 [02:11.32]果て無き残心を——。 [02:18.10] [02:18.15]抱き締めた腕さえ、 [02:22.61]擦抜けてしまうのか。 [02:27.73]言の葉までも届かぬ、 [02:32.38]睦の月——。 [02:52.87] [02:54.93]幽玄に消えた俺の名前を呼び続ける御前は「忘れられぬ、忘れられぬ。」と泣きじゃくった。 [03:12.50]其の震える肩の傍で何も出来ずに居る俺が、 [03:21.46]御前にできる唯一の事は——。 [03:31.52] [03:31.88]抱き締めた腕さえ擦抜けてしまっても、 [03:41.45]御前を愛し続けるという事。 [03:50.32]——此の魂が消えようと、 [03:55.41]御前を愛している。